最近、家づくりの相談に訪れるお客様の話を聞いていると、家族の中にアトピー性皮膚炎や喘息、シックハウスなど、何らかのアレルギーを持っている人が多いことに驚かされます。
特にアレルギー症状や喘息がひどいお子さんの場合は、住む家の問題だけではなく、これから通う学校の環境にも困難が待ち受けているのではないかと心配されます。
地球温暖化や酸性雨、環境ホルモンによる影響・・・。便利さや利益を追求して、人間が生み出した様々なものや技術が、自然環境や人々の暮らしに深刻な影響を及ぼし始めています。
家族が安らぐ場であるはずの住まいまでもが、人の健康をおかしくしています。その代表が「シックハウス症候群」です。
日本では、1990年代に入ってから、シックハウスによる健康被害が急増しました。同じ新築住宅でも発症する人としない人がいるため、まさか自分の症状がシックハウスだと気が付かなかったというケースも多いようです。
体調不良がシックハウスによるものだとわからないまま、原因となっている住宅に住み続けると、さらに深刻な「化学物質過敏症」に進んでしまう危険性もあります。
シックハウスの場合は、原因となっている家を離れれば症状はなくなります。しかし、化学物質過敏症は、家を離れても症状は改善されません。それどころか、外にも出られない状態。一般の人が感じないほんのわずかな化学物質に反応して、普通の暮らしができなくなってしまいます。