では、なぜ日本では「賃貸VS持ち家」の議論になるのでしょうか?
それは、日本において、新築の建売木造住宅を買った瞬間から建物の価値が半分に目減りし、約20年で無価値になるとされているからです。いわゆる「賃貸派」の主張の拠り所はここにあります。
一瞬で価値が半減し、20年で価値がほぼゼロになる建物を所有することは損でしかなく、そのために住宅ローンという莫大な負債を抱えるのは危険な選択であるし、負債とは無縁でいられる賃貸は低リスクで安全だという選択だ。
でも、本当にそうでしょうか?
賃貸だろうが、持ち家だろうが、生きていく以上、住居費がかかるという事実は変わりません。それなのに、住宅ローンを組んだ瞬間に持ち家の住居費だけが「負債」になるという論理は理解しがたいものがあります。
住宅ローンが借りられる、つまり「家を買える資力がある」という現実が一番大きな価値ではないかと考えます。
少なくとも賃貸でいる限り、住宅という資産が手元に残ることは一生ないのです。
【引用 だん|202008新建新聞社・新建ハウジングより】